Thorens TD-126/ⅢC (TP-16/Ⅲ付)
¥108,000- 販売済
税込 送料別
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オール木目の枠は非常に珍しく希少価値が有ります。
TD-126/ⅢCは大変良く出来たアナログプレーヤーと思います。
メカ的なノイズ(外部ノイズ・本体ノイズ)の影響を最小限に止めるように設計されています、その一つがフローティングシステムで質量のあるメインシャシーに金属製のインナーとアウターに分割されたプラッターを組合わせ更にトーンアームボードを3本のボルトでガッチリと止めて有ります。
付属のアームはTP-16/Ⅲでストレートダイナミックバランス型ですが このアームは日本人には不人気です、私も以前使った事が有りますがその時は良かったという記憶は有りませんでした。
理由は色んなカートリッジを簡単に交換して楽しむ事が出来ない事です、その当時はそんな程度の音楽しか聴いていなかったと今では反省しています、カートリッジの音を聴いていたのですね。
現在は音楽を楽しむ事を覚えたので自分の音楽に相性の良いカートリッジ一つが有れば十分、その相性の良いカートリッジを100%近く生かすのはカートリッジを簡単に交換できるユニバーサルアームでは調整があまりにも難しく音楽を聴いている暇が有りません。
カートリッジを100%近く生かす為にはオーバーハングを調整してアームパイプをレコード面と水平になる様に調整しなさいと物の本にも書いてあり先輩からもその様に教わりました、残念ながらそれは大変な勘違いでしたアームパイプではなくてカートリッジをレコードと水平垂直に調整しないといけなかったのです。
カートリッジがヘッドシェルと水平に取り付けてあればこれでレコード面とカートリッジは水平垂直になっています。
シンワ測定(株)76329 \840-を購入して自重1.5gの水平器1個をレコードの上に置いて、まずはプレーヤーの水平を調整します次に2個目をヘッドシェルの上に乗せた状態で正規の針圧調整をします、正規の針圧になったらレコード面に針を落とせばアームが高いのか低いのか一目瞭然。
ヘッドシェル側水平器の垂直がもしも狂っていたらこのアームはパイプの途中で繋いであるのでコネクターのガタ分の狂いと思います、アームパイプの根元とヘッドシェルを持って軽く若干ネジって見ると垂直が取れる時が有ります。
上記の方法でも垂直が取れない時はパイプとシェルのつなぎ目がカシメて繋いで有りますのでそこの部分の狂いです、本アームも狂っていましたので無理にネジったらこの部分が動いてしまいましたので、垂直調整を正確にして繋ぎ目パイプの上下から穴を開け2mmタップを切って固定しました。
更に接着剤にて補強して有ります、ついでにこの部分で共振や変なナキが出ては困るのでソフト整振材を一回り巻いて熱収縮チューブで仕上げて有ります。
この状態で2日ぐらい試聴したのですが定位が何か不自然なので暫らく考えましたが、解明出来ないままに不安定なストロボの原因追求をして電源部のレギュレーターとコンデンサー更に回転調整回路の半固定VRを交換して再度ストロボを見ると大分落ち着いてきました.ので一安心。
パネル上の回転微調整VRで調整しようとしたら触るだけで直ぐにストロボが流れてしまいます、これは微調整とは云わないな~ と思い基盤用ポテンショメータが在ったので交換して調整したら本当に微調整出来 ましたので10回転大型ポテンショメータと交換して有ります、残念ながらツマミがオリジナルと合わないので似た様なツマミを取り付けて有ります。
どうしても見た目が嫌なお客様は前もって連絡頂ければ元のVRに戻しツマミもオリジナルの物と交換いたします。
そんな事をしながら試聴しているとパッと閃きました・・・・・どうしてシェルに青色線が落ちているんだ~???
TP-16/Ⅲの曲がってしまったジャンクパイプが在ったのでよくよく調べたらアームパイプ本体とシェルが電気的に導通していないではないか、テスターで調べるとパイプとシェルの繋ぎ目で導通していません、その為シェルに左側マイナス信号を落としてシールドとしていた様です。
どんなトーンアームでもシェルとアーム本体は電気的に繋がってシールドとしています。
私の知識ではなんの利点が有るのか幾ら考えても解明できませんでした、私が繋ぎ目にネジを取り付けたので電気的に導通してしまい結果的に左側マイナス信号とシールドがループしてしまい定位が不安定に聴こえていたのでしょう。
カートリッジとアームを電気的に見ると完全にバランス出力になりアンプに接続した時にアンバラになってしまいますのでどこで落としても同じと思いこんな接続方法にしたのでしょうか?????
シェルに落としてあった信号線を取り外してついでに接続チップも新品と交換しました。
殆んどの市販トーンアームは出力コネクターまではバランス接続になっていますが、どうしてか出力ケーブルが一心シールドなのでマイナス信号とシールドを共有していますので結果的にS/Nの悪い情報量の少ない音になってしまいます。
特にMCカートリッジはマイナス信号とシールドを共有しては絶対いけないと思います。(経験からで理論は分かりません)
私の持論なのですがアーム出力ケーブルは完全にバランス出力で更に一信号当たり二心シールド線を1本使用する
この方法を推奨いたします、自作ですので勿論インピーダンスとかの数値類は無視していますがS/Nと情報量はバツグンです基本的な配線材はモガミ電線の2Pバランスマルチケーブルをトライガード処理しています。
RCAプラグの端末処理は通常は「図1」の様にしていますレンジも広く抑圧感が有りません、量感の欲しい方は「図2」の様に接続した方が良いです。
RCAプラグの中に未接続配線が残っていますので簡単に「図2」の方法が実験できます。
左側の写真がオリジナル配線でわざわざ二分配ボックスを設けて中継しています、今思うと以前このアームを使った時に良い印象の記憶が無かったのはパイプの件やこの様な配線方法でS/Nと情報量を犠牲にしていたのが原因だったのかと今は理解しています、当時解明できなかった自分のノウハウもたいした事が無かったと反省~~。
右側の写真が自作ケーブルに交換してフローティングの邪魔にならないように取り付けた状態です、当然二分配ボックスも取り払ってアームインナーケーブルと出力ケーブルは直接ハンダ接続していますのでシェルからRCAプラグまではパイプ接続部の一箇所だけしか接点が有りません。
唯一の接点部も分解して接点クリーニングとハンダも2種類ミックス天然松脂入でやり直しています。
ここまでパイプのブラッシュアップをやっていたら重量が増しメインウエイトの重量が足りなくなったので以前金物の作り物をして貰った業者さんにメインウエイトを20g増量して製作見積もりをお願いしたらこのプレーヤーの販売金額からすると高額なので、自分で銅板を同じ形に削って貼り付けました。
こんな形です、これも見栄えが悪い時は業者さんを紹介いたしますので直接注文して作ってもらってください、その業者さんは腕が良いのでそっくり同じに作り同じ色で塗装もしてくれます。
銅板が無くてもMC-20Supremeはスレスレでバランスが取れます。
写真にダストカバーが写っていませんが付属いたします。