LINNサービスにAXISが故障したので修理を・・・・と連絡すると即座に「部品が有りませんので」との返答で頭が真っ白になったお客様より何とかなりませんかとメールが有りました。
ICは別の修理品で使うICと同じ物だったので多分大丈夫でしょうと返信2日後にAXISが早速到着しました、軽く・小さく・スタイルもセンス良くこれで良い音がすれば云う事無しです。
LP12の電源部 Valhalla は多数の修理経験が有ったので同じようなもんだろうと思って分解して驚き、1枚の基板にモーターも全てが乗っている。
フローテイングはフット兼用のゴムで底板の下がフット、底板の上部に突き出ているゴムに天板を乗せ天板にはプラッターとトーンアームが取り付いている。
Simple is bestの見本のようなレコードプレーヤーに感心。
1984年の発売なのでケミカル部品は全て交換し、目視で焼き切れていた抵抗も交換し基盤の損傷部も修復しても正常動作しませんICを1個更に1個と交換して2個めで動き出しました。
全ての部品が同じ年数を経ているので結果的に全てのICを交換しました。
プラッタースピンドルの純正オイルにはモリブデンが混合されていて油量に対し適切な量のモリブデンが入っていれば良いのですが、オイルを継ぎ足すとオイルよりもモリブデンが重いので最初にモリブデンが注入されてしまい大量のモリブデンが蓄積してしまいます。
滑りを良くするための物が適切量を超えてしまい負荷物になっています、試しにスピンドルポットを洗浄し純正オイルスポイトから注射器などでオイルのみ吸い取りポットに注入して音楽を聴いてみると今まではスピーカーに張り付いていた音が前面に飛び出してきます。
LINN SONDEKのロゴマークはこの部分を精密に加工され回転に負荷が有りませんよと表示されていた筈。
それなのにモリブデンで回転に負荷を与えてしまってはもはやLINN SONDEKではない、プレーヤーは正確に回転していれば良いだけではないことをLINN SONDEKは示しています。
回路を眺めているとThorens TD-126/Ⅲの中後期に似ている回路に見えます、でも電源部は違いメーカーの特徴が出ています。
LINNはスイッチング電源の簡易型、Thorensは正規のアナログ電源と果たしてどちらが良いのか、レコードプレーヤは電源部で音質やスピード(音の)が決まるようです。
自分のLP-12では100vを直接整流するブリッジダイオードをSiC-SBDに交換し今までは何だったのと笑ってしまうぐらい感激した経験が有ります。
電源部のブリッジダイオードを超スピードのSiC-SBDに交換したかったのですが予算的に未交換となりましたが電解コンデンサーに村田のセラミックコンデンサーをパラってチューニングしてあります。
お客様に返却して治ったことに感激し更に音の鮮度が上がったとの連絡に自分のことのように嬉しいです。
いい物はヤハリ大事に使い倒したいですよね。