仙台市錦町Cafe&Live 「Jazz Me Blues Nola」でレコード好きには憧れの的DENON 局用レコードプレーヤーDN-308Fを聴かせて頂きました。 20年位前に欲しくて欲しくて探したが入手出来ないまま時が過ぎ現在は正反対のLINN LP12を愛用していますが暫くぶりで聴いてみると流石力強く輪郭のハッキリとした音楽を奏でています。 アンプも局用を使用しを更にスピーカーも「P-610」AかBらしい? マスターもはっきり記憶にないぐらいビンテージです。
今までの経験でトーンアームのベアリングが劣化して支点の所にガタが出てしまいます、その結果カートリッジの水平垂直が取れないのを知っていたのでマスターの許可を得て点検したら案の定ガタガタです。 これでは折角の業務用機器も極普通の重いプレーヤーです、 マスターと相談した結果私がお預かりして修理する事になりました。 一枚目の写真はトーンアーム取り外し前の姿です、流石に業務用ですね大きさや重量は一人ではとても移動が出来るような物では有りません。
トーンアームを外してしまいました、持ち帰り分解してデータを取ります。 いくら素晴らしいプレーヤーでもトーンアームを外してしまうと可愛そうになります、マスター特注のダストカバーを掛けてお客様には無残な姿を見せない様にお願いして帰りました。
こんなにガタが有りました全部同じ位置にカメラを固定して撮影しています。
これではカートリッジがレコードに対して水平垂直に保つ事は出来ませんのでヘッドシェルに触るとどちらかに傾いてしまいV字にカッティングした左右の音楽信号を均等にトレース出来ませんよね、それがスクラッチノイズと音像定位の不安定の原因になります。
レコードに対してカートリッジが水平垂直でトレースしていればスクラッチノイズは殆ど聞こえないと言っても過言では有りません、但しゴミの音は別ですよ~ 一度レコードをきちんと洗浄してゴミが付着しない様に保存して置けば、レコード演奏前にレコードを擦って綺麗にする作業は要りませんので静電気も付着しません、当然スクラッチもゴミ音のパチパチも有りませんので音楽鑑賞に没頭出来て何十年も前のアナログレコードにこんなに音楽情報が入って居るのかと驚く事しきりでしょう。
この黒くタダレた物は何でしょうか? ベアリングカラーです、合成樹脂系ですので経年劣化で溶けてしまいました。
右側の写真が掘り起し取り出して見ました。
左側の写真が取り出した物で下側の新しいベアリングを挿入したのが右側の写真です。
更にロックナットも錆びとゴミでスムースな締め付けが出来ないのでタップを切り直しました。
左の写真がゼロバランス・中央が針圧+0.5g・右側が-0.5gです、こんなに感度が良くなりましたと喜ぶのも可笑しいですよね これが「普通」ですので。
感度が鈍いと大きな音や振幅の大きな音がカッティングされている所でカートリッジのカンチレバーが溝に追従されないので針飛びが起きてしまいます、今後はそれはないでしょう。
レストアされたトーンアームが元の位置に戻って来ました、やはり格好良いですね~
早速レコード演奏してみましょう。
マスター曰く オ~ いいね~~
私:心の中で 当たり前だ~ とは思いませんでしたよ。
追伸 オーディオ誌に書いて有るトーンアームの調整方法は横から見てレコードとトーンアームを水平に調整しなさいと書いて有りますが、本当に水平で良いのでしょうか???? レコードから信号を取り出すのはトーンアームではなくカートリッジです、なぜカートリッジを水平垂直になる様にトーンアームを調整しなさいと書けないんでしょうね~ おまけにプレーヤー本体は水平に設置しないとダメと書いて有りますが理由は書いて有りません。
世界中で販売されているトーンアームはスタティックバランス型が圧倒的に多いのが原因と思います、スタティックバランス型の原理は地球の重力を利用 した動作原理ですのでプレーヤー本体が水平になって初めてトーンアームも正規のゼロバランスが取れます。
しかしユニバーサル型アームはヘッドシェルとコレクトチャック部にオフセットが有りアームパイプを水平にしてもカートリッジが水平垂直になるとは限りません、条件的に良いのはヘッドシェル固定のトーンアームが良いのですがカートリッジを交換して音色を変え楽しむ事が煩わしくオーディオマニアには嫌われていますので何か良い解決方法は無いものかと考えたのが次の調整方法です。
写真の様にレコード面とヘッドシェルに別々に小型水平器を載せて正規針圧を掛けて、水泡が同じ位置になる様にトーンアームの高さやヘッドシェルの傾きを調整すれば完璧です、でもまだ安心出来ませんアームレストから外す時とロックする時にヘッドシェルの指掛け部を持って力を入れると折角調整したのが狂ってしまいます、今回からはパイプその物を持って指で外したりロックしたりしましょう。
レコード面に下ろす時と上げる時は今まで通りの指掛け部でも力が掛かりませんので大丈夫です、念のため定期的に写真の様な確認作業をすれば更に安心です。
Jazz Me Blues のマスターは完璧にマスター?して良い音でレコード演奏していますのでぜひ一度聴きにコーヒーでも飲みに行ってみて下さい。(アルコールも有りますからご安心を)
場所や営業時間はこちらで確認をお願いします。 http://jmb.at.webry.info/